これまでもあるけど(その話はまた少しずつするよ)今回も1枚の絵を見る旅をしている。
今回はカラヴァッジョの《Ecce Homo》を見るためにスペイン、マドリードのプラド美術館へ。どんな絵かというとこういう絵です。
これはプラド美術館のポスターなのだが、というのもヨーロッパには珍しくここは館内撮影禁止で、実物を撮影することができなかったのでポスターで勘弁してもらいたい。
この絵は、プラド美術館の所蔵ではなくて個人蔵。現在の所蔵者の好意によって、今年の5月28日から来年の2月28日までプラド美術館に展示されているのです。
カラヴァッジョの絵で見られる絵は全部見たいと思っている僕としてはそれは見に行かねばということになる。次にいつ見られるかわからないからね。
1605年から09年頃に描かれ、かつてはスペインのフェリペ4世(1605年-1665年)の個人コレクションだったという記録があるそうだ。フェリペ4世というのはあのマルガリータ王女のお父さんです。マルガリータ王女はベラスケスが描いた愛らしい肖像画たくさん残ってるね。
それが2021年4月、画家ホセ・デ・リベラの弟子のものとしてオークションに出品されたのだが、その重要性からスペイン文化省は調査をし直したところ、カラヴァッジョ作品と認定されたそうだ。これはもちろん美術史上最大の発見のひとつ。
すごく特別に展示されているのかと思ったら、普通の展示室に多くの絵の中に混ざって展示されていたのにも驚いたけど。あと、一応言っておくと、《ダヴィデとゴリアテ》(1599年頃)があります。
さて、僕のプラド美術館への思い入れを書いておくと、僕が初めてこの美術館に来たのは1979年、大学2年の時だった。数ある名画の中でもベラスケスを見たかったんだね。特に《ラス・メニーナス(女官たち)》ですよ。その後、この美術館は何回か訪れているけれど、特に2011年、日本にゴヤの《着衣のマハ》が来る展覧会があってその取材のためにアーティストの奈良美智さんと来ました。
1979年に初めて来たときの写真と今回の写真を並べておこう。
また、旅や絵の話をします。では。
2024/11/18 20:19